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富士経済、コラーゲンなど生物由来有用成分・素材市場の調査、L-シトルリン市場が2012年に20億円

 富士経済は、健康食品や化粧品などの原料として使われる生物由来有用成分・素材バルク市場の調査を実施した。その結果、メタボリックシンドローム、内外美容、関節サポートを訴求した素材の市場が拡大。今後有望な新素材市場としては、L-シトルリンが2012年に20億円(2007年の40倍)、エラスチンが2012年に25億円(2007年の3.6倍)に達するなどが明らかになった。なお、詳細を報告書「2008年版 生物由来有用成分・素材市場徹底調査」にまとめた。

http://www.mylifenote.net/003/l201220.html

 この報告書では、生物由来有用成分・素材50品目のバルク市場についてその市場規模、メーカーシェア、価格動向、有望応用分野などを調査分析し、各バルク市場の方向性を明らかにている。

 生物由来有用成分・素材バルク市場は健康食品市場の拡大とともに成長を続けてきたが、アガリクスの安全性に関する問題や大豆イソフラボンの摂取目安量の上限値問題などから、2006年に健康食品市場が縮小したためこの市場も前年を下回った。さらに厚生労働省による表示に関する規制強化が進むなど市場環境は厳しくなっている。しかし、特定保健用食品市場の成長や健康食品分野でも「コラーゲン」「アスタキサンチン」「グルコサミン」などメタボリックシンドローム、内外美容、関節サポートを訴求した素材の市場が着実に増加し、2007年は前年比3.8%増の1032億円となった。また、「L-シトルリン」「エラスチン」など新しい素材も登場し注目を集めている。高齢者人口の増加、今年4月からスタートした特定健診制度の導入によって、健康食品を含めた予防分野の商品の需要が拡大するとみられる。

 植物由来素材では、「ブルーベリー」「ウコン」「ニンニク抽出物」が、体感性の良さ、認知度の高さ、馴染みがあり利用しやすいことから需要を拡大している。メタボリックシンドローム、免疫活性、脳機能改善、更年期サポート訴求が多くなっている。今後は、表示規制強化が進むことから、訴求する機能を絞り込み、認知度をいかに高めていくかが各素材における需要拡大の鍵となる。

 動物由来・その他素材では、食薬区分の見直しで食品素材として利用が可能になった「コエンザイムQ10」「α-リポ酸」「L-カルニチン」が2003年~2005年にかけてブームとなり消費者の認知度が高まった。ブームの収束、健康食品市場全体の縮小によって、この市場も縮小したが、根強いリピーターの存在、医薬品としての安全性の高さと豊富な研究データを背景に業界全体で啓発活動を積極的に進めていることから、市場は新たな成長段階に入ると予想される。優れた活性酸素除去能力で注目される「白金ナノコロイド」や欧米で人気が高く食薬区分改正で登場した新素材の「L-シトルリン」などへの期待が高い。

 美容分野は、内外美容の考えの浸透で化粧品だけでなく飲む美容素材として需要が高まっている。特に、認知度の高い「コラーゲン」、体感性、即効性でアンチエイジング素材として注目される「プラセンタ」などの成長が顕著だ。また、高齢化の進行で関節痛に悩む人の増加によって「グルコサミン」「コンドロイチン」が安定成長している。関節痛対応として複合使用される「ヒアルロン酸」や「MSM(メチルスルフォニルメタン)」もともに需要を拡大している。

 全体の70%以上を食品分野が占めており、その中でも健康食品分野が中心である。精製技術の向上によって動物臭、魚臭が改善され、水溶化技術の向上によってサプリメント、粉末、ドリンクタイプなど様々な形態で商品化されている。化粧品・トイレタリー分野では、「アスタキサンチン」「コエンザイムQ10」など健康食品で人気となった素材の利用が増えた。化粧品では含有量が少なく使用量は少ないものの、化粧品メーカーのブランド力、販促宣伝効果によって、素材の認知度が高まり、健康食品の再拡大につながるため、化粧品に採用されることで波及効果が見込める。医薬品・医薬部外品分野は、使用される素材のグレードが高く、量は少ないものの金額ベースでは食品分野に次いで大きい。医薬品分野では「コンドロイチン」「ヒアルロン酸」が大きなウエイトを占める。

 コラーゲンは、2007年が82億円に達し、2012年が132億円(伸長率161.0%)になると予測する(分子量3000グレードに換算して市場規模を算出)。

 コラーゲンは動物組織の皮膚、血管、腱、歯などの組織に存在する線維状のタンパク質で、からだを構成する全タンパク質の約30%を占めている。コラーゲンの原料には、豚、牛、鶏、魚由来がある。味、臭いの面で牛由来が主流であったがBSE問題によって原料の切り替えが急速に進み、現在では豚由来が主流となっている。また、イメージの良さ、水産加工メーカーの新規参入によって、魚由来コラーゲンが増加している。豚由来60%、魚由来30%、牛・鶏由来10%程度と推定される。

 コラーゲンは美肌素材として認知度が非常に高く、体感性も高いことから健康食品やサプリメントに使用されている。風味の良い高品質コラーゲンが出て来ていることから、飲料、菓子など一般食品の用途へも急速に広まっている。他の美容素材に比べて原料価格が低く、採用しやすいことやエビデンスの蓄積によって、骨・関節訴求など新たなユーザー層への拡大が期待される。

 プラセンタは2007年が22億円に達し、2012年が37億円(伸長率168.2%)になる見通しだ(100%粉末換算で市場規模を算出)。

 プラセンタとは英語で胎盤を意味し、人体に欠かせない各種の物質を胎児に供給する重要な役割を担っている。タンパク質や酵素・ビタミン・アミノ酸・ミネラル・糖類・核酸・各種グロスファクター(成長因子)など数百種の成分が含まれ、ホルモン調整作用、抗酸化作用、免疫賦活作用、美白作用、細胞分裂増殖作用をはじめ様々な効果や機能を有する。健康食品や化粧品に利用されるプラセンタ原料は一般的に豚胎盤由来が使用されるが、最近では馬胎盤由来も登場している。医薬品の分野ではヒト胎盤の使用が認められており、更年期障害・乳汁分泌不全、肝機能改善の医療用医薬品が保険適用されている。

 皮膚細胞修復作用、美白作用の体感性が高いことから、健康食品、化粧品分野では強力なリピーターによって安定した需要を確保している。また、アンチエイジング素材としても脚光を浴びている。プラセンタを利用したドリンク、サプリメント類、スキンケア化粧品での商品開発が活発化している。メーカーによる機能研究も進んでおり、エステティックサロン、美容外科クリニックにおいてドクターの評価が高く、更年期障害対策、肝機能改善、アレルギー対応など美容目的以外での利用も広がってきている。

 エラスチンは2007年が7億円に達し2012年が25億円(伸長率357.1%)になると予測する(100%の粉末換算で市場規模を算出)。

 エラスチンは、細胞外で働く繊維状の蛋白質で、ゴムのように伸び縮みする性質(弾性)があり、組織に柔軟性を与え、皮膚の真皮・靱帯・腱・血管壁など伸縮性の必要な器官に広く分布する。老化とともに分解され生成されにくくなり、中年期では25%以上減少するといわれている。加齢や紫外線の影響によって、エラスチンが分解され次第に弾力を失うと真皮が表皮を支えきれずにシワやタルミとなって現れる。食品として内側から補給することも有効で食べる美容素材として注目されている。化粧品素材として牛由来エラスチンが古くから使用されていたが、BSE問題によって牛由来素材が敬遠され、現在ではカツオ、タラといった魚由来や豚由来素材のエラスチンが主流となっている。

 エラスチンは、ハウス食品の美容ドリンク「うるおい美率」にコラーゲン・ヒアルロン酸とともに配合され、美肌素材として注目度が高まっている。また、味、臭い、安定性ともに優れていることから、健康食品用途では、美肌サポートのサプリメント、ドリンクでの採用が活発化すると予想される。化粧品分野では、肌のハリを保つアイテムとして資生堂の「エリクシール シュペリエル」に採用されている。大手メーカーに採用されたことで、エラスチンの認知度がさらに高まり市場に好影響を与えるとみられる。

 L-シトルリンは2007年が5000万円に達し、2012年が20億円(2007年の40倍)になると見込まれる(100%の粉末換算で市場規模を算出)。

 L-シトルリンは、スイカ、メロン、ニガウリ、キュウリなどのウリ科植物に多く含まれ、特にスイカに多く含まれるアミノ酸の一種。L-シトルリンの代表的な生理機能としては、経口摂取によって体内で吸収後アルギニンに変換、さらにシトルリンに変換される際にNO(一酸化窒素)を産生することによる血管拡張作用、血流促進作用があげられる。また、神経伝達、免疫賦活、筋肉増強、運動パフォーマンスの上昇、精力増強や冷え性改善など様々な機能が明らかにされてきている。米国では動脈硬化など心疾患予防やアスリート向けのサプリメントとして人気が高く、欧州ではL-シトルリン-リンゴ酸塩が疲労回復のOTC薬として20年以上の実績を持っている。

 2007年8月に食品向けの原料供給が解禁となり、各メーカーはセミナーなどによる情報提供、安全性、機能性データの整備に注力した。供給が本格化するのは商品開発が活発化する2008年以降とみられる。わずかに甘みがあり、水に溶けやすく吸湿性が非常に低いため、飲料から錠剤、カプセル、顆粒まで多様な形状での商品化が可能である。健康食品市場では、L-シトルリンの特徴的な生理機能である血流改善、血管機能向上の訴求に加え、冷え性改善、運動パフォーマンス向上といった機能面を訴求した商品開発が活発になると予想される。

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