メタボ:「商戦」活況 新商品や新サービス続々
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を予防する特定健康診断(通称「メタボ健診」)が4月から始まった。基準値や改善指導の効果に対する疑問や批判もある一方で、おなかのぜい肉が気になる中高年や、健診のコストを減らしたい企業を狙った新商品や新サービスが相次いでいる。個人消費が伸び悩む中、あの手この手の「メタボ商戦」が繰り広げられている。【坂井隆之】
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080419k0000e040046000c.html
◆特設コーナー活況
「今日から始めよう!メタボ対策」。東京・新宿のビックカメラ新宿西口店の一角にはひときわ目を引く看板が。体脂肪計などの検査器具、蒸気で食事の油分を減らすスチームオーブンなど100点以上を集めた「メタボコーナー」を開設している。担当の小関恵理さんは「ヘルスメーターなどが普段の2割増しで売れる」と話す。
小田急百貨店新宿店は運動器具から健康食品まで約210品目を置く。担当の渡辺幸香利さんは「糖尿病患者用の低カロリー食品や、歩数計の売り上げが2割伸びた。女性客から男性客への口コミも多い」と手応えを感じている。
◆アイデア商品続々
「やせたいけどきつい運動は嫌」。そんなわがままなニーズにも応えようと、ワコールは「はいて歩くだけで体が引き締まる」という男性用下着を3月下旬に発売した。1着3150~5250円と高めだが、3月は売り上げ目標を4割上回った。
フィットネスクラブのセントラルスポーツは指導員が2カ月間にわたって運動や食事を指導する「メタボ改善コース」を新設した。6万4800~8万800円と高額だけに利用は会員の一部だが、「健診が本格化するのはこれから」と今後に期待を寄せる。
全日空系の旅行会社ANAセールスは3月下旬から「メタボ改善ツアー」の募集を始めた。3泊4日の日程で、北海道夕張市の炭坑跡地での石炭採掘体験やウオーキングで全身運動をするとともに、地元病院で健康指導を受ける。定員は60人だが「好評なら拡大したい」と強気だ。
飲料業界も久々の「特需」にわいている。伊藤園は、コレステロールを低下させるカテキンをふんだんに入れた「カテキン緑茶」(350ミリリットル168円)を3月下旬に投入した。健康茶は花王「ヘルシア」やサントリー「黒烏龍茶」が大ヒットしており、「数少ない成長分野。緑茶飲料トップの強みを示したい」と意気込む。
◆健保組合向けも
メタボ診断と保健指導を実施する健康保険組合への売り込みも活発だ。家庭用健康・医療機器のオムロンヘルスケアは、NTTデータと共同で改善指導用の検査器具とソフトを発売した。対象者の測定値データを打ち込めば、改善に必要な運動量や食事などのアドバイスを自動作成するため、健保側の負担は大きく軽減できる。
人材派遣大手パソナグループ系の「ベネフィット・ワン」は、健保組合からメタボ健診から保健指導まで一括で請け負う事業を始めた。ただ、いずれも「健診制度が始まったばかりで、企業も様子見ムード」と言い、本格化には時間がかかりそうだ。
【ことば】メタボリックシンドローム 高血圧や高脂血症など複数の症状が重なり、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞が起きやすい状態のこと。4月から健康保険の加入者と被扶養者を対象に、健康診断と保健指導が行われる。腹囲が男性85センチ、女性90センチ以上などの条件について、科学的根拠が十分でないとの指摘や、患者数を減らせない場合などに自治体に科せられるペナルティーに反対の声は多い。
毎日新聞 2008年4月19日 11時43分(最終更新 4月19日 11時43分)
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