【特報 追う】メタボ健診 青森に商機あり
今月スタートした「特定健康診査」と「特定保健指導」制度、通称“メタボ健診”。健康保険組合や国民健康保険を運営する企業や自治体に、被保険者の生活習慣病対策に力を入れてもらうことで、社会全体の医療費を減らそうという試みだ。青森県はこれを商機ととらえているが、健康に支出する人や、メタボに目を光らせる県内の健保組合数が極端に少ないなど課題は多い。(米沢文)
http://sankei.jp.msn.com/region/tohoku/aomori/080419/aom0804190343000-n1.htm
メタボへの関心の高まりを産業興しにつなげようと、県は今年度「ヘルスアップビジネス創出事業」に乗り出した。世界遺産の白神山地や温泉、山海の幸といった豊かな地域資源を生かし、産学官連携のもと、科学的根拠に裏打ちされたメタボ改善のビジネスモデルづくりをする。
県は5月末~8月にかけて取り組みの主体を募集、事業を委託し、来年3月に報告会を行う。7月にはセミナーを開催し、各研究機関や企業の取り組みの展示会や交流の場を設定する。
県新産業創造課は「青森ならではの資源を生かし、地域が一帯となって取り組める持続性のあるアイデアを期待したい」としている。中でも注目は健康をテーマにした旅行プログラムの開発だが、“メタボブーム”と裏腹に、先進的に取り組む団体では集客に伸び悩んでいるのが実情のようだ。
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乗馬に近い健康効果をうたうフィットネス機器のヒットで注目を集めるのは、本物の馬に乗って健康になってもらおうという十和田市三本木のNPO法人(特定非営利活動法人)「騎北会」のプログラムだ。
地元産和種「なんば馬」に乗り、十和田湖周辺の森約8キロを1時間かけて回る。北里大獣医学部の協力で健康効果も実証された。乗馬の前後に心電図や唾液(だえき)の成分を調べた結果、副交感神経の活動レベルが高まることなどが分かり、リラックス効果や免疫の向上が裏付けられた。
昨年9月~今年3月の間に、20~50代の約50人が参加。「自然に触れて、ゆったりできた」「気持ちがよかった」など、好評だったという。ただ、検査に時間がかかるため、キャンセルされることもあり、同会は「馬だけではなく健康への関心が高い人に、青森ならではのプログラムであることをアピールしていきたい」としている。
16年度から「ヘルシーツアー」を始めたのは、青森市浅虫のNPO法人「活き粋あさむし」。浅虫温泉に1~3泊滞在するプランで、1日1600キロカロリーの食事のほか、全身の筋肉を動かすウオーキングの指導、隣接する医院で血液や動脈硬化の検査などを行う。
これまで延べ約 300人が参加。そのほとんどは低料金でモニターとして参加した人という。事務局の石木公子さんは「健康にお金を使う文化がまだなく、発展途上の分野。ビジネスとして成立させるための突破口がない」と漏らす。
今年度は趣向を変え、アンチエイジングに主眼を置く。「楽しく、楽に」をモットーに、抗酸化効果のある食事や針きゅう、写経、夕食用の野菜収穫など盛りだくさん。生活習慣について、6カ月にわたってフォローするメニューも用意する。
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JTBヘルスツアー研究所(東京都港区)が昨年7月に行った調査によると、ヘルスツーリズムの取り組みは全国に 231件。ウオーキングや食にこだわった内容が増え、プログラムそのものの開発に力が入れられている傾向があるという。ヘルスツーリズムの潜在市場規模は4兆円にも上る。
木谷真由美主任研究員は「旅行に健康を取り入れたいという人は8割、健康をテーマにした旅行に行きたいという人は6割もいる。その一方で、せっかくの旅行先で飲み食いを我慢しないといけないと考え尻込みする人が多いようだ」と指摘。その上で「個人ではなく、メタボ対策が義務づけられる企業に働きかけることで、ヘルスツーリズムが全国に広まれば」と期待を込める。
しかし青森県内の健保組合はわずか3団体にとどまり、県内での集客には限界がある。活き粋あさむしでは、全国の健保組合が持つ保養施設の宿泊斡旋(あつせん)などを行う日本福祉開発センターにプログラムを売り込み、県外からの集客を図ることにしている。
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■特定健康診査と特定健康指導 国は糖尿病や高血圧症などの生活習慣病を予防するため、その予兆となるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)に着目。健康保険組合や国民健康保険を運営する企業や市町村に対し、40~74歳の被保険者と被扶養者のメタボ該当者や予備軍の割り出しと、最長6カ月間の食事や運動などの生活面の指導を義務づけている。
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