『脱メタボ』義務化 事業膨らむ? 保険各社 『指導』に動く
メタボリック症候群を防止するための特定健康診断と合わせて特定保健指導が四月から企業などの健康保険組合に義務付けられた。保険会社は、関連会社を通じた「特定指導ビジネス」に本格的に取り組みだした。企業の健保は、特定指導を自前で実施する以外に外部委託もできるため、「選択肢」のひとつとして関心が高まっている。 (吉田通夫)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2008050302008496.html
■健診と指導
「付き合いを断れなくて…」「食べるなら揚げ物より煮物や焼き物を。運動も忘れずに。めげずにがんばりましょう」
特定指導を行う会社では、保健師や看護師、管理栄養士がメタボと診断された人たちに電話をかけて、ダイエット計画が挫折しないように励ます。同時に食事のメニューを指導する。
明治安田生命系の指導会社は二〇〇六年度の試行で、メタボの危険性がある二百八十人のうち約23%、六十四人の肥満を解消したという。
特定健診と特定指導は、厚生労働省が、生活習慣病の予防と、それに伴う医療費削減策として導入。四十-七十四歳の被保険者と被扶養者を対象に判定を義務付け、メタボ該当者やその“予備軍”は医師らと面談し、運動や食事制限の計画を立て、定期的に電話を受けて指導を受けなければならない。
■顧客開拓
保険会社は、もともと契約者の健康相談に応じるサービスを提供しており、義務化に伴って特定指導ビジネスに乗り出した。健保との基本契約料は年間数十万円。各社とも、メタボでない人の健康相談サービスなどを追加し、顧客獲得を狙う。
損保ジャパンの関連会社は本年度の契約先健保を六十件と見込む。ミレアホールディングスの子会社は、現在約四十件の契約先を百件に伸ばす目標を立てた。
明治安田の子会社は本年度、昨年の四倍に当たる六千人への指導を見込む。
■疑問視
制度には課題も多く、日本生命の関連会社は「今後の状況を見極める」と慎重な姿勢だ。厚労省は、四年後の一二年度に各健保を調査し、メタボ該当者が減っていない場合は、後期高齢者(長寿)医療制度への拠出金を増額させる“ペナルティー”を科す。
しかし、メタボの判定基準に対し専門家の一部は疑問視しており、数年後に見直されるとの指摘もある。指導会社の中には「制度がまだ不安定で健保側にも戸惑いがあり、経営資源を積極的に投下することはできない」と慎重なところもある。
特定指導できるのは保健師、看護師、管理栄養士に限られ、医療機器メーカーなども指導業務に参入している現状では、人材の奪い合いにもなる。地方での面接や、指導員の休日出勤などコストも高く、採算性は不透明。各社とも課題と闘いながら「手探りの船出」になっている。
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