適量生活(2) 深刻化するグローベスティ(世界的に広がる病的肥満)問題の解消
「自分の体重管理すらできない“ダメなヤツ”と烙印を押されたくない」「だけど、辛い、苦しい努力はしたくない」。そんな方向きのウエイトマネージメント商品が発売された。
オランダDSM社の機能性素材「fabulessファビュレス」を主原料とするダイエットサポートサプリメントである。
前回に引き続き、DSM社のドウィーナ・ボシャー薬学博士、マーケティング担当のピーター・リュウ氏、そして、日本担当マーケットデベロップメントマネージャーのベロニータ・ルスリ氏、通訳も務めてくれたフードスペシャリティ事業部アカウントマネージャーの羅 瑞添(ロー・スウィー・ティアン)氏にお話を伺った。
(聞き手:クロスメディア本部プロデューサー 阪田英也 構成:原田英子)
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/info/20090604/1026771/
パーソナライズド・ニュートリションの提案
――日本では厚生労働省が提唱し、メタボリックシンドローム健診(特定健診)が義務化されました。DSM社の日本市場参入は、日本のダイエット市場の拡大を視野に入れてのことですね。
ピーター・リュウ氏: グローベシティ (globesity:世界的に広がる病的肥満)という造語があるように、オベシティ(病的な肥満)のグローバル (世界的)な流行が深刻な問題になっています。
体重管理のテクニックとして参考にしたい減量成功者に共通する生活習慣は、
・定期的に運動する
・カロリーと脂肪の摂取量を減らす
・規則正しく食事をとる(朝食もとる)
・定期的に体重を量る
・減量後、わずかなリバウンドが大きなリバウンドにならないように注意する
(Data: The National Weight Control Registry.” Long-term Weight Maintenance”, American Journal of Clinical Nutrition,Vol.82,No1,222S-225S,July 2005)
ピーター・リュウ氏
というものです。分かっていても実行できないからこそ、ダイエット市場が隆盛なのです。日本は人口の割合からすれば、太っている人はさほど多くないのに、「スリムになりたい」「ちょっと痩せたい」という気持ちの人がかなり多いのではないでしょうか。
私どもの調査では、日本はアメリカに次いで世界で第2位のウエイトマネージメントマーケットという結果が出ています。
――DSM社の事業概要、企業としての目標を教えていただけますか。
羅 瑞添氏: ライフサイエンス(ニュートリションとパーソナルケア、医薬品原薬)とマテリアルサイエンス(樹脂などの機能性素材、工業用化学薬品)の分野で様々な製品を展開しているグローバル企業です。中でも、ニュートリションとパーソナルケア部門の売上は25億ユーロ(約3500億円)と好調です。
ヨーロッパの企業でのサステイナビリティ・インデックス(社会との“共生”を図る企業としての位置づけ)では常に上位にランキングされていますし、昨年は、ニューズウィークのCSR(企業の社会的責任)ランキングで6位でした。このことは、当社が社会に貢献し、そのことが認知されているという証左です。
また当社では、毎年予算の15%を研究開発費につぎ込んでいますが、今後も研究開発に力を入れてイノベーション能力を高めていくために、現在4つの先端分野への注力を掲げています。
羅 瑞添氏
(1)ポリマーとコーティング技術を生かしたバイオメディカル素材の応用、医薬品の開発
(2)微生物関連で環境負荷を減らす、ホワイト・バイオテクノロジー分野
(3)パーソナライズド・ニュートリション(個人個人に適合した栄養摂取の方法)の提案
(4)スペシャリティ・パッケージング
この中の(3)、パーソナライズド・ニュートリションの提案とは、ビタミン類をはじめ、メタボリックシンドロームなど現代の生活習慣病に対して、当社が保有している知見と素材を組み合わせ、一人ひとりに合った適切な栄養摂取の方法を提案するものです。
また、(4)のスペシャリティ・パッケージングとは、例えば「包材を特殊加工することによって賞味期限を延長することができる」、その結果、「食品の廃棄量を減らすことができる」ことに着目し、その方策を食品企業などに提案、採用してもらうことです。
品質と信頼性の絆
――今回、日本では日清ファルマへファビュレスを供給されていますが、どのような経緯があったのでしょう? また、日清ファルマが供給先としてふさわしいと思った理由は?
ピーター・リュウ氏: たまたま日清ファルマの方が、ファビュレスのことを小耳に挟み、非常に興味を持たれたことがきっかけでした。ダイエット商品の多くは、“摂取すると食欲をなくす”というタイプのものが多いのですが、ファビュレスはどちらかというと“飲んで食事を楽しみながら、自然なメカニズムを応用して、ガマンせず、無意識のうちにウエイトをコントロールしていく”というものです。
「食欲をなくす」のではなく、「満腹感を持続する」「空腹感を減らす・抑制する」が、ファビュレスを使った商品のキーワードです。日清ファルマは、ここに注目しました。その上でDSM社が、海外での販売実績もあり、安全安心を大切にしているということが日清ファルマ側の決め手となりました。
DSM社としては、ファビュレスのような特殊な素材をマーケットに出す以上、やはり適切なメッセージを発信できるような会社と組むことが大切と考えています。そして、日清ファルマの日本市場における顧客からの信頼性、そこに期待しました。
日清ファルマとは、ファビュレスが初めての取引ではなく、すでにビタミン類の素材供給でいい関係を築いていましたからね。(第2回おわり)
(連載第3回に続く:記事に関するお問い合わせ (株)ビイ・エス・ティ03-5339-3041)
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