「三位一体」でメタボ対策を
筑波大大学院の久野譜也准教授は8月7日、東京都立川市で開かれた「第1回東京臨床糖尿病運動療法研究会」で、「MetS(メタボリックシンドローム)予防における運動指導の最前線-有酸素性運動+筋力トレーニングの重要性-」と題して特別講演を行い、食事コントロール、有酸素運動、筋力トレーニングの3つを組み合わせた指導の重要性を訴えた。
http://news.livedoor.com/article/detail/4292060/
久野氏はまず、昨年4月1日からメタボリックシンドロームに焦点を当てた「特定健診・特定保健指導」が始まったことについて言及。メタボの該当者と予備群を発見し、保健指導によって生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症)を防ぐとの「予防」の観点が重視されるようになった「転換点」と評価した。
また、生活習慣病予防のための運動プログラムは、個別プログラムが基本と強調。「体育の授業のような運動形態は、基本的に生活習慣病予防の運動処方としてはあり得ない」として、医師のメディカルチェックを経るなどした安全性、効果を伴う個別の運動プログラムの必要性を強調した。
久野氏はさらに、食事コントロールのみで減量を行うことについて「非常に大きな問題」と指摘。3か月間の食事のみの減量で低下した筋肉量の割合を通常の老化速度に当てはめると、「5年も老化を促進した」ことになるとのデータを示し、▽食事コントロール▽有酸素運動▽筋トレによる筋肉づくり-を組み合わせた「三位一体」を原則とするよう呼び掛けた。
また、有酸素運動についても、体重抑制、内臓脂肪の効率的な燃焼などの効果があるものの、「筋肉の維持に関して(ウオーキングは)効果がゼロ」と断言。「運動の基本は、有酸素(運動)と筋トレの両方を組み合わせた運動処方をしなければならない」と指摘した。
久野氏は今後の課題について、「重要視しているのは継続率」とした上で、特に日常生活に運動を組み込んだ「ライフスタイル型運動プログラム」では、「1年後くらいからやらなくなる人が出てくる」と指摘。「運動の効果に関しては、残念ながら“貯金”はできない。特定保健指導やいろんなプログラムで期間が決められていることに、わたしは非常に危機感がある。(期間後に)どう続けられるか、支援が薄くなってからも続けられるような仕組みをどうつくっていくか、ということが今後の課題」と述べた。
また、久野氏が社長を務める筑波大発のベンチャー企業「つくばウエルネスリサーチ(TWR)」は、同大との共同研究により、個別プログラムの自動作成などを行う「e-wellnessシステム」を運用。自治体や病院、薬局などを対象に、運動・栄養指導にかかわる指導者の育成も実施している。今後、地域住民に身近な薬局を健康支援サービスの拠点にすることなどを検討しており、今秋にも開業医と薬局の連携に基づいた新たなプロジェクトを実施する予定だという。
スポンサードリンク